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杉島前会長の跡を受け、会長を仰せつかりました 河合素直 です。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、本機友会のように卒業生、在学生等からなる組織(早稲田大学校友会はさらに大組織である)では、その構成員の数が非常に大きく、しかも広い世代にわたっており、組織の構成員が組織への共通の帰属意識をもつということが大変難しいという悩みをもつと感じています。すなわち、組織と構成員との間の接点をどこに置くかということを考えてみても、構成員の関心さらには組織への期待が非常に広いスペクトルをもつということです。何故そのようにならざるを得ないかということを考えてみますと、過去を懐かしく振り返る時間的にも精神的にも余裕をもつことができるようになった世代、社会のいろいろな最前線でひたすら前向きに突き進んでいる世代、社会の大きな流れが大きく変わりつつあることを感覚的に捉え将来への明るい展望をもちにくい世代(最近の卒業生は、いわゆるバブルが弾けた後の時代に成長し、高度成長というような右肩上がりという「良き時代(?)」を経験していない世代)等々からなることが一番大きな要因となるでしょう。そこで、機友会はいかなる面で接点をもち一層の活性化を図るべきかと考えることから、改めて取り組むことが求められることになります。ここでは、課題を提起し、今までの諸活動の活性化にとどまらず、課題の解決のために時間をかけいろいろな試行を進めていきたいと申し上げるに止めさせていただくことにしたいと思います。
次に、当面機友会が取り組まなければならない課題について触れさせていただきます。杉島前会長時代から検討が進められてきた。「機械工学科創設100周年・機友会創設100周年」の記念式典を来年(2011年)11月に開催することを理事会で決定しておりますので、皆様方のご協力を戴きながら、意味のある行事として実現したいと考えております。100周年という節目で式典を挙行する意味でありますが、過去100年を振り返るということは大変重要ですが、これからの100年の展望を全員で考えるということに大きな意味を置きたいと考えます。それは次のような時代背景があると考えるからです。「機械工学」はこの100年、輝かしい発展を遂げてきたということができますが、これからの100年に果たすべき「機械工学」あるいは「工学技術」の役割、さらには学問としての「機械工学」の展開については、時代状況の大きな変化の中で必ずしも共通の展望をもつことが容易ではないからであります。一寸脱線することをお許しいただき、社会における「工学」(「機械工学」も同様と考えています)の地位低下について触れておきます(巷では「工学技術」ではなく「科学技術」が専ら用いられています)。いわゆる「豊かな社会」の実現に工学技術は大きく貢献してきていますが、このことをきちんと理解している人々が少なくなってきており、しかも「地球温暖化ガス25%削減」という鳩山前首相の発言に代表されるように(京都議定書による6%削減すらクリアされていない状況の中で「25%削減」を世界に発信していることがそもそもおかしく、さらに「25%削減」については現実には海外から排出権を購入して一部をクリアしようとするというのですから、オカシナ国になってきたと思わざるを得ません)、工学技術として現状況の下で可能なことと不可能なこととの区別ができないという驚くべき状況であり、工学技術さらには機械工学の復権を今こそ叫ばなければならないと思っているところだからです。
そこで、機械工学の復権を目指す第一歩を踏み出したいと思います。理工再編で、ご承知のように「機械科学・航空学科」と「総合機械工学科」に2学科としてスタートしたこともあり、まずはこの両学科からこれからの100年という将来展望を宣言していただくということを、この記念式典の最も重要な行事と考えたいと思っています。その上で、さらに議論を拡げていくことに機友会が貢献できればと考えています。
[略歴]
1940年生まれ。1964年3月早稲田大学第一理工学部機械工学科卒業。2010年9月基幹理工学部長退任。高橋利衛先生・町山忠弘先生から教えを受け、制御工学・熱システムのダイナミクスに関する教育・研究に携わっている。2011年4月早稲田大学名誉教授
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